【冬にピッタリ NETFLIXドラマ『僕だけがいない街』を観て 実写化作品として秀逸!】

『僕だけがいない街』は、三部けいによる人気漫画を原作としたサスペンス要素の強いヒューマンドラマです。アニメ化・実写ドラマ化・実写映画化もされてます。全部観ましたが、どれも面白い作品です!今回はドラマを紹介したいと思います。

【「ぼくだけがいない街」概要】

 売れない漫画家である主人公・藤沼悟(古川雄輝)に不幸が伴う出来事が起きると、時間が巻き戻る不思議な現象「リバイバル」に巻き込まれます。ある日、取り返しのつかない事件をきっかけに、悟は小学生時代まで時間を遡ることになります。

 過去に戻った悟は、当時起きていた連続誘拐殺人事件と向き合いながら、未来で起こる悲劇を防ぐため行動を開始します。大人の記憶を持ったまま子どもの体で奔走する主人公の葛藤、友情、そして「過去を変えること」の重みが丁寧に描かれていきます。

【観た感想など】

 まずなぜドラマ版を紹介したいと思ったかというと、凄く成功した実写化だと感じたからです。アニメ版も大好きで迷ったのですが、こちらの方があまり知られてない気がするのでこちらにしました。

 全体のストーリとして、小学生時代と現代を行ったり来たりします。個人的には特に小学校時代のストーリーが、好きですね。
実写化にあたって心配してた子役たちの演技も、違和感なく観れました。子供時代はとても可愛らしく、そしてどこか切ない感じに胸を締め付けられます。

 小学生時代に戻った悟が最初に強く意識するのが、雛月加代(柿原りんか)の存在です。彼女は、当時起きていた連続誘拐殺人事件の被害者の一人です。
また彼女は家庭内で深刻な問題を抱え、周囲からも孤立している少女です。悟は未来の記憶を持つ大人として、彼女に待ち受ける「悲劇」を知っているからこそ、放っておくことができません。
印象的なのは、悟が雛月を「守る」という行動を、特別な言葉や派手な行為ではなく、日常の中の小さな積み重ねで示していく点です。
一緒に過ごす時間、さりげない気遣い、仲間の輪に入れる工夫など、悟は誠実に向き合います。そして、二人は徐々に信頼関係を築いていきます。
この二人の関係は、淡い好意や友情のようなものもあり、どこか切ないです。この実写ドラマでも、そのあたりが丁寧に描写されています。

 そして悟の奮闘と、真犯人の究明が過去と現在にわたって繰り広げられます。もちろん、サスペンスとしての緊張感もある作品です。犯人の影が見えだすと、特に不気味さが出てきます。しかしそれ以上に本作の緊張感は、犯人を推理することよりも、「悲劇を回避できるかどうか」という時間制限付きの恐怖にあります。

 悟は未来の記憶を持ったまま過去へ戻るため、事件が起こる“結果”を知っています。しかし、「なぜ起きたのか」「どこで歯車が狂ったのか」は完全には分かっていません。
この不完全な情報こそが、物語全体に不安定な緊張感をもたらしています。

 この作品をまとめると、サスペンスとしての緊張感と、人の心に寄り添うヒューマンドラマを高いレベルで両立させた実写作品です。
 犯人を追う物語でありながら、本当に描かれているのは「間に合わなかった後悔」や「誰かを救いたいという衝動」なのだと感じました。

雛月と悟の関係性は、物語に切なさと温度を与え、サスペンスの中に確かな感情の軸を作っています。だからこそ、ただハラハラするだけで終わらず、見終えた後も静かに考えさせられる余韻が残ります。

派手さよりも心理描写を重視した構成は好みが分かれるかもしれませんが、丁寧に積み重ねられた緊張感と感情表現は、ドラマ版ならではの魅力です。原作やアニメを知っている人も、初めて触れる人も、それぞれの視点で楽しめる一本だと思います。

【主なキャスト】

藤沼 悟:古川雄輝
 本作の主人公。売れない漫画家で、時間が巻き戻る「リバイバル」という現象に巻き込まれる青年。

雛月 加代:柿原りんか
 悟の小学生時代の同級生。過酷な家庭環境の中で孤独を抱える少女。

藤沼 佐知子:黒谷友香
 悟の母親。冷静で観察力が鋭く、物語の重要な鍵を握る存在。

片桐 愛梨:優希美青
 悟の周囲に関わる人物。物語序盤から緊張感を高める役どころ。

八代 学:戸次重幸
 悟の小学校時代の担任教師。穏やかな人物として描かれる。

コメント